HITについて

理解するのに時間がかかりました。Σ(゚д゚lll) 最近患者さんでHIT疑いの方がいたので詳しく知りたいと思いました。自分でも理解しやすいように簡単に書いてみます。


⚪️HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)とは ❔

ヘパリンの重大な副作用‼️ 

免疫機序を介して血小板減少や血栓塞栓症を引き起こしてしまう。 


⚪️分類 は、

《タイプⅠ型》

ヘパリンによる軽度の血小板凝集作用の結果、血小板減少が引き起こされる 。 

・発症:ヘパリン投与2ー3日 

・機序:非免疫的機序 

・血小板数:10ー20%減少   

・合併症:無 

・頻度:約10% 

・経過:ヘパリンの継続可能 、自然に回復

・治療:原則不要  


《タイプⅡ 型》

一過性に出現するHEP依存性自己抗体が血小板を活性化するため血小板減少。 

・発症:ヘパリン投与5ー14日後 

・機序:ヘパリン依存性抗体の出現   

・血小板数:30ー50%の減少 

 ・合併症:動静脈血栓症 

・頻度:0.5-5% 

・経過:ヘパリン中止で回復 

・治療:代替薬による抗凝固療法の継続  

   このタイプⅡが重篤になってしまうのだ。   このメカニズムなかなか理解できなかったー。

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 ①ヘパリンが投与され、活性化した血小板がPF4(血小板第4因子)複合体形成。  新たな抗原が作られる 

② 新たな抗原やってきたので、リンパ球に提示 。IgA抗体(HIT抗体)が産生 され、PF4/HEP複合体と結合

③ ②が血小板受容体とくっつき、血小板は活性化、血小板凝集体を形成し、血小板減少‼️

④活性化した血小板からPF4の放出が促進され、さらに ③の工程が促進されるとともに、凝固促進因子であるマイクロパーティクルが放出されトロンビン産生が促進され、血栓形成 。‼️

⑤②が単球に結合し組織因子が形成され、トロンビン活性化。 


⚪️血栓が見られる場所 

・肺動脈 肺塞栓 

・手足   壊死

・冠動脈  心筋梗塞 

・脳の血管 脳梗塞   


⚪️早期発見しましょう

・血小板減少症 

ヘパリン投与前に血小板を測定し、投与後に定期的に血小板数測定する。 

・静脈血栓症の方が多く、臨床症状注意。(呼吸困難、意識障害、下肢の浮腫、、)  


  ⚪️リスクが高い方は、

・過去100日以内にヘパリン使用された症例 

・血管障害を起こしている患者 

・透析患者 

・妊婦 

 

⚪️ 治療について

①ヘパリン製剤の中止   

血栓塞栓症の症状がなくてもヘパリン製剤に換わる抗血栓塞栓症療法を行う 

③血小板が回復した場合 

ワーファリン療法を行う。 


※圧バックはHEP生食ではなく、ただの生食をしようしていたょー。 

注意ですね!!