メイロン

腎性のアシドーシス、呼吸代償がある方。どんな時にメイロンって補正するのだろうと思い調べてみました。  


⚪️メイロンの適応疾患 

・代謝性アシドーシス、特にアニオンギャップが正常の場合 

・高カリウム血症   

・中毒(うつ薬、アスピリンサリチル酸)    


※代謝性アシドーシスが起こった場合、通常は腎臓からの酸の排泄が亢進してPHの正常化は達成されるので、 PH〈7.2の重篤なアシデミアでない限りは必要なし。   

二つは賛否両論あり、以下を目安に補正。 

・乳酸アシドーシスPH〈7.10〜7.15 

                                          = 

ケトアシドーシス PH〈7.00 

                                          = 

PH正常化を目標とするのではなく、PH7.2を目標として補正する。 

 ⚫︎実際の重症患者対応の場合にはアシドーシスの原因に対する治療を行うことが重要。 

 

⚪️禁忌 

・メイロンを投与すると、Na+とHCO3-に分離し、体内にある水素イオン(H+)と結合して重炭酸緩衝系を左にシフトする。 

・メイロン投与によって増加する二酸化炭素(CO2)を肺から吐き出すことが、できない場合(呼吸性アシドーシスの患者など) 禁忌。 

 

⚪️注意 

メイロンはNaと結合することで形を安定化させているので、投与した場合はナトリウム負荷となる。 

ナトリウム負荷と重炭酸というアルカリ負荷が同時にかかるため以下を注意。  

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①ナトリウム負荷による心不全、高ナトリウム血症 

②高浸透圧になることによる血管内水分貯留、浮腫、心不全 

③アルカレミアに伴うナトリウム以外の電解質異常 

・低カリウム血症 (カリウムの細胞内シフト)

・低カルシウム血症(アルブミン結合カルシウムが増加するためイオン化カルシウムは減少) 

④細胞内アシドーシス 

・心筋の収縮力低下、肝細胞での乳酸代謝の低下につながる 

リバウドアルカローシス  


※メイロンの組成がちがうので、注意! 

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